ニュースリリース
大型・重可搬ロボット事業を強化
2004年10月20日
株式会社不二越
株式会社不二越
ナチ不二越は、今般、自動車の生産ライン(スポット溶接、搬送)に使用されるロボットや、液晶パネルの大型ガラス基板搬送用ロボットなど、当社の得意とする大型・重可搬ロボット専用工場を新設し、ロボット事業を強化する。
1.ナチ不二越のロボットの特長
- 当社は、工作機械事業で培ってきたメカ技術、油圧制御技術を活かし、1969年に産業用ロボットの分野に進出した。1981年には日本で初めて電動式大型多関節溶接ロボットを開発し、また、1994年に他社に先駆けてリンクレス構造(ロボットの動作範囲を大幅に拡大)のロボットを市場投入するなど、技術開発面において、常に業界をリードしてきた。
- そして、産業用ロボットの主要市場である自動車分野において、作業スピード、位置決め精度、溶接品質など、カスタマーニーズがもっとも厳しいボディラインのスポット溶接用ロボットに経営資源を集中投入し、世界市場で確固たるポジションを築いてきた。
- 以来、自動車のスポット溶接用を中心に、機械メーカーである特長を活かし、大型・重可搬ロボット分野で、他社の追随を許さない当社独自のつよみを発揮している。
2.ロボット事業のこれまでのとり組みと課題
- これまで、大口需要の自動車ボディラインのスポット溶接用ロボットに特化してきた結果、激しい企業間競争を余儀なくされてきた。
- これに対し、事業の安定化、すそ野の拡大を目標に、社内ユース(大型ロボット約100台稼働)で培ってきたハンドリングやバリ取りなどのアプリケーション技術、ノウハウをベースとして、また、ダイヘンとのアライアンスを活用して、自動車関連以外の中小口需要のアカウント拡大にとり組み、一定の成果をあげてきた。
- 今後、自動車業界ではボディなど重量物の搬送用ロボット、また、デジタル家電業界では大型化する液晶用ガラス基板搬送用ロボット(サムスン電子と協同開発)と、需要の拡大が期待できる有望市場で、大型・重可搬という当社のロボットの特長、シーズ技術を活かし、スポット溶接用と並ぶ第2、第3の柱として強化する。
3.市場の動向
- 自動車業界(あらゆる工程のロボット化、専用設備のロボット化の進展)
- 日系自動車メーカーは、アジアや東欧、中南米などで、現地生産を拡大する傾向がつよまっており、世界の各工場で生産技術要員不足が顕在化してきている。
- そのような中で、各メーカーにおいては、搬送や加工・組み立て工程など生産ラインのあらゆる工程のロボット化をすすめており、各生産工程の効率化や、人手作業の品質面のばらつきをなくし、世界同一品質の確立をめざしている。
- また、国内においても、生産ラインのフレキシブル化をすすめ、単機能の搬送コンベアや専用設備をロボットへ置き換える動きをつよめている。
- 液晶パネル業界(ガラス基板の大型化)
- 大型液晶テレビをはじめとしたデジタル家電市場の拡大を受けて、液晶パネルの需要が急増している。国内外の液晶パネルメーカー(日本、韓国、台湾)は、パネルの大型化とコストダウン(歩留まり向上)を追求するため、2005〜06年にかけて相次いで大型ガラス基板(第6、7世代)対応の新工場を立ち上げる。
- 今後も、ガラス基板の大型化、コストダウン競争が激化すると予想され、ガラス基板搬送用ロボットの大型化、高機能化(スピード、位置決め精度の向上など)が要求されている。
4.今後のとり組み
- 自動車業界、デジタル家電業界を中心に、需要が拡大する大型・重可搬ロボットの、生産体制を強化するため、今般、富山事業所内に大型ロボット専用工場を新設する。あわせて、現在4カ所に分散している生産、開発テストエリアを集約し、ロボット事業の生産性向上、開発期間の短縮をはかる。
- 新工場の概要・特長
- 自動車用大型ハンドリングロボット(SC700、SC400など)、大型ガラス基板搬送用ロボットを月100台組み立て可能な工場を建設する。
- 高清浄度クリーンルーム(組み立て、測定、トライエリア)を装備。
- ライン集約により大型ロボットの組み立て工数を半減する。
- 敷地、建屋面積:4,675m2
(富山事業所 油圧バルブ工場跡地に建設(油圧バルブ工場は東富山事業所に集約)) - 設備投資額:約10億円
- 2005年4月竣工予定
- 新工場の概要・特長
- ロボット事業部の中に、「プロダクト・マネジメント部」を新設(2004年9月20日付け)。スポット溶接、ハンドリング、ガラス基板、塗装の主力4機種について、機種別統括責任者(プロダクト・マネージャー)を置き、企画・開発から製造、品質保証、販売、サービスまで一貫して管理する体制を構築し、商品力の強化をはかる。
- グループ内の生産ラインにおいて、大型ロボットの活用拡大をすすめる 。
工具や油圧機器、特殊鋼などの製造ラインに、最新技術を活用したロボットを順次投入し、各工程の高機能化を推進する。そして、ロボットのアプリケーション技術、ノウハウを蓄積することにより、カスタマーに対して横展開し、提案営業を行なっていく。- 社内大型ロボット : 現状 約100台 → 300台へ(2006年目標)
5.大型・重可搬ロボット(スポット溶接、大型ハンドリング、ガラス基板搬送用ロボット)
の生産目標
2004年度 | 300台/月 | ||
2005年度 | 350台/月 | (2004年度比 | 16%増) |
2006年度 | 400台/月 | ( 〃 | 33%増) |
以上
問い合わせ先 | (株)不二越 ロボット事業部・企画部 TEL 076-423-5135(直通) インターネットからのお問い合わせ |