ニュースリリース
材料技術を活かした高機能・長寿命ベアリングを拡大
2006年5月
株式会社不二越
株式会社不二越
1.背景
- 日系自動車メーカーは、世界的な自動車市場の好調を背景に、各地で生産能力の増強をすすめている。
- 一方で、原油価格の高騰を背景に低燃費車のニーズが高まり、ハイブリッドエンジンの開発や、トランスミッションの多段化・軽量化等にとり組んでいる。
- とくに、トランスミッションは小型・高出力化がすすみ、さらに、低騒音・低振動という高い性能が求められている。
- これに伴い、トランスミッションには、軽量・コンパクトで耐熱・耐摩耗性に優れ、過酷な状況下でも耐久性の高いベアリングの要求がつよまっている。
2.事業・商品の位置づけ
- 当社は、材料・熱処理、機械加工、機能部品技術を併せもち、複合・連環型の事業運営を展開して、ものづくりの分野で確固たるポジションを築いている。
- ベアリング事業では、材料開発〜機械加工〜熱処理〜製品まで、社内の多彩な技術を活かして一貫生産を行なっており、自動車向けではカーエアコンや等速ジョイント用、産業機械向けでは工作機械や印刷・製紙機械、減速機用などの高機能ベアリングにおいて、圧倒的な競争優位性を確立している。
- とくに、トランスミッション用のベアリングについては、「MT鋼」「MS鋼」というオリジナル鋼種を開発、採用し、さらに特殊な熱処理を施すことにより、小型・軽量化と、高温・高速・異物環境下での長寿命化に大きく貢献している。
- 今後、MT鋼・MS鋼ベアリングは、トランスミッション用だけでなく、自動車や産業機械の主要部位への採用拡大が見込まれる。
3.MT鋼・MS鋼ベアリングの特長
- 当社の独自開発であるMT鋼・MS鋼と、特殊熱処理を採用し、ベアリングの基本構造を変えることなく、過酷な環境下でも性能を維持し長寿命化を実現した。
- べアリング鋼の材料成分を調整し、耐熱・耐摩耗性を向上。さらに、特殊熱処理を施して、ベアリングの軌道面の強度・硬度を高めることにより、クラックの発生と伝播を抑制する。
- とくに、自動車のトランスミッションのように油中に異物が多く、ベアリングの軌道面へのかみこみが懸念される悪条件下においても、従来の5〜7倍の長寿命を実現する。
- 従来品に比べてサイズダウンしたベアリングで、同等の性能・寿命を確保できるため、コンパクト・軽量化が可能になる。
4.生産体制の強化と事業目標
- MT鋼・MS鋼ベアリングの生産ラインを増強(設備投資:3年間で10億円)し、 トランスミッション用を中心とした、需要の拡大に応える。
- また、印刷機械、製紙機械など、耐久性が重視される産業機械向けの用途開拓をすすめる。
- そして、2008年度の売上高は、2005年度比2倍の50億円をめざす。
以上
問い合わせ先 | (株)不二越 部品事業部・軸受業務課 TEL 076-423-6354(直通) インターネットからのお問い合わせ |