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ベアリング熱処理工場を新設し、生産体制を拡充(取材メモ)

2008年4月
株式会社不二越

 ナチ不二越は、需要が拡大する自動車・産業機械用高機能ベアリングの生産能力拡大、生産性向上をねらいに、今般、熱処理専用工場を新設し、最新の自動化ラインを構築する。これにより、2010年に従来に比べて生産能力を約30%ひき上げるとともに、生産性を2倍、25%の省エネルギー化をめざす。

1.ベアリングの製造工程と熱処理の重要性
(1)ベアリングの製造工程

  軸受鋼棒材 → 切断・鍛造(内輪、外輪) → 旋削加工 → 熱処理
    → 研削加工 → 組立 → 最終検査 → 梱包・出荷

(2)熱処理の重要性

 自動車や産業機械の回転部などに組み込まれるベアリング(転がり軸受)は、高負荷、高加重に耐え、低摩擦でスムーズに回転する必要があり、素材である高炭素クロム軸受鋼に適正な熱処理加工を施し、強度・硬度、靱性を高めて使用される。
 とくに、自動車や鉄道車両、航空機用などは、安全面から高い耐久性が求められ、熱処理加工の重要性が高まっている。

(3)当社のつよみ

 研削盤、組立・検査機(工作機械部門)に加え、軸受鋼(マテリアル部門)、熱処理装置(クリーンサーモ部門)を内製し、材料・熱処理技術、機械加工技術を活かして、独自性の高い高機能ベアリングにつよみをもつ。

2.熱処理新工場のねらいと特長
(1)高機能ベアリングの需要拡大に応え、熱処理工程を集約・拡充

 自動車向けでは等速ジョイントやトランスミッション用のベアリング、産業機械向けでは建設機械をはじめとした大型機械用の球面軸受などの需要が大きく伸長。これを受け、これまで4工場に分散していた熱処理工程を、新工場の建設により2工場に集約し拡充。
 新工場には、既存工場の熱処理炉を一部、改修・移設するとともに、内製のメッシュ式連続熱処理炉をはじめ新型の設備を順次導入。2010年には、国内全体の熱処理能力を約30%ひき上げる。
  (〜08年:7基導入、09〜10年:12基導入)

(2)ロボット化・少人化ラインを構築し、生産性・コストを大幅に改善

 ラインの整流化に加え、各連続熱処理炉への給材を内製のロボット(20台設置)で自動化し、30%の少人化をすすめる。これにより、人・時間あたりの生産性は約2倍に向上。
 また、トンあたりのエネルギー使用量を約25%ひき下げる。

(3)品質向上、環境保全

 焼き入れ油の連続遠心分離型浄化装置を新規導入し、熱処理品質の向上と油のリサイクル回数増をすすめる。また、油水分離装置や排水・排煙処理装置、各種安全機器を完備し、工場内外の環境の保全につとめる。

3.熱処理新工場の概要
  • 設置事業所:水橋事業所
  • 日    程:2008年2月竣工、4月稼働
  • 床  面  積:8,300平方メートル
  • 投  資  額:約50億円(〜2010年)
以上
(株)不二越 経営企画部
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