ニュース

ニュースリリース

透明導電膜成膜装置「Z−TOPS」を協同開発

2010年8月
株式会社不二越

透明導電膜成膜装置「Z-TOPS」

透明導電膜成膜装置「Z−TOPS」

形成したZnO膜の表面の粗さはITO膜の9分の1

形成したZnO膜の表面の粗さはITO膜の9分の1

 (株)不二越とヘンミ計算尺(株)(本社:東京都千代田区 社長:大倉 健資)の両社は、それぞれが強みとするコーティング技術、流体制御技術を融合し、タッチパネルや有機ELディスプレイ、太陽電池等に使用される酸化物系の透明導電膜成膜装置「Z−TOPS(ズィートップス)」を協同開発した。
 これにより、需要が拡大する透明導電膜市場において、高性能な酸化膜の安定供給に貢献する。

1.透明導電膜市場の動向と課題
(1) 透明導電膜の需要動向
 タブレット型PCや携帯電話へのタッチパネルの普及により、低抵抗で平滑な透明導電膜の需要が、近年大きく伸長している。また、有機EL照明や電子ペーパーなど新しい市場の立ち上がりを受けて、今後、一段の需要拡大が期待される。
(2) 透明導電膜の安定供給に関する課題
 一方、現状透明導電膜の主流であるITO膜は、主原料であるインジウムの需給逼迫、価格高騰が懸念され、安定供給が課題となっている。これを受け、インジウムを使用しない高性能な透明導電膜に対する要求が高まっている。(ITO:インジウムスズ酸化物)
(3) 成膜方式に関する課題
 従来のスパッタ方式による成膜は、原料にイオンを衝突させ、付着・成膜する方法のため、導電膜表面にノジュールと呼ばれる突起の発生など欠陥が生じやすく、特殊熱処理による結晶化(アニール)処理を行う必要があることに加え、EL発光の不均一化や歩留が低下するおそれがある。
2.透明導電膜成膜装置「Z−TOPS」の特長
(1) 多彩な酸化膜を成膜
 透明導電膜の市場は、安定供給が可能で高品位な酸化亜鉛(ZnO)膜への置き換えがすすむものと予想される。協同開発したZ−TOPSは、従来のITO膜に加え、今後の需要拡大の中心となるZnO膜の成膜を可能にした。
(2) イオンプレーティング方式を採用
 成膜方法にイオンプレーティング方式を採用。イオン発生装置にはコーティングで実績の高い大電流の圧力勾配型電子銃を用い、ノジュールのない平滑なZnO膜を、低温で高速に成膜することが可能になった。これにより、成膜前後のアニール処理が不要となるとともに、高品位で低抵抗の透明導電膜を安定的に供給する。
(3) 大幅なコストダウンを実現
 安価なZnO膜への切換に加え、成膜工程の高速化、工程省略、歩留向上を可能にすることにより、透明導電膜の大幅なコストダウンを実現する。
3.今後のとり組み
(1) 販売目標
  2010年7月より受注開始。
両社で連係のうえ需要開拓にとり組み、2011年度10億円、2013年30億円の売上をめざす。
(2) 今後のとり組み
 透明導電膜以外のアプリケーション開発に協同でとり組む。
以上
問い合わせ先 (株)不二越 開発本部 商品開発部
TEL 076-423-6571(直通)
インターネットからのお問い合わせ