ニュースリリース
2021年11月1日
MVP搭載DLCコーティング装置「SMVP-1020」を発売
1.市場の動向と当社のとり組み
コーティング加工は、金属製品の長寿命化・性能向上などを目的に、幅広い産業で活用されている。近年では特に、炭素を主成分とする非晶質のカーボン物質膜であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜が、その高耐摩耗性、低摩擦性などから、アルミ切削用ドリルや、半導体・紡績機械、金型、自動車部品、プラスチック、ガラスレンズなどに幅広く用いられている。そのため、DLC成膜装置の高品質化・高速化のニーズが一段と高まっている。
当社は、1980 年代に主に工具のコーティングを開始し、以来、自社でコーティング装置を開発・製造してきた。今般、これまで培ってきた幅広いコーティング技術を活かし、高速、かつ細穴内面の成膜も可能な新型DLCコーティング装置「SMVP-1020」を開発、市場投入する。
2.狙いの市場
- 半導体分野:半導体製造装置のバルブ、継手、パイプ内面などの耐腐食化、耐摩耗化
- 紡 績 分 野:紡績機械のノズル内面の耐摩耗化
- 金 型 分 野:金型の耐摩耗化、耐疑着化
3.「SMVP-1020」の特長
SMVP-1020は、マイクロ波を利用したコーティング技術であるMVP法(Microwave sheath-voltage combination Plasma)を採用することで、高密度プラズマによるDLC膜の高速外面コーティングを実現し、さらに、細穴内面へのコーティングも可能とした。
(1) 高密度プラズマによる超高速成膜
MVP法による高密度プラズマにより、外面コーティングでは150μm/hr の超高速成膜を実現。標準的な アーク法やスパッタ法による従来機と比較して、成膜速度が30 倍から最大150 倍程度まで向上する。
(2) 内面コーティングの成膜領域拡大
従来の技術では困難であった細穴内面のコーティングを実現し、φ30mm×500Lo やφ3mm×100Loなどの小径穴内部への成膜品質を確保する。
(3) 少量、多品種に対応
当社従来機より処理時間を大幅に短縮し、処理膜の切替えも容易なため、少量・多品種の処理に柔軟に対応。また、コンパクトな設計で、2台設置し交互運転することで生産効率がさらに向上。
4.仕様
- 据付寸法:幅2.1m×奥行2.0m×高さ2.1m
- 成膜有効範囲:径250 o×高さ500 o
- 対応膜種:DLC、Si−DLC
5.発売予定
(1) 発売時期:2021年11月1日
(2) 価 格:オープン価格
(3) 販売目標:10台/年
6.新商品の問い合わせ先
サーモテック事業部 企画部 TEL:076-471-2981
問い合わせ先 | (株)不二越 経営企画部 TEL:03-5568-5210 FAX:03-5568-5215 インターネットからのお問い合わせ |