決算短信
2004年11月期中間決算発表にさいして(富山商工会議所で)
2004年11月期中間連結では、
連結売上高は前年同期比7.3%増の776億円、経常利益は同23.0%増の35億円となり、増収増益となった。
通期の予想は、連結売上高が前期比6.4%増の1,560億円、経常利益は期初計画を5億円上回り、同20.9%増の75億円となる見込み。
2003年度の中間決算では、トンネルを抜けたと表現した。2003年下期、2004年上期の業績に手応えを感じており、成長路線に確実に乗った。中期経営計画2006「ナチビジネスの展望」で目標としている、2006年度の連結経常利益100億円が見えてきた。ナチビジネスがカスタマーに広く受け入れられつつあり、その結果が業績面や株価、格付けなどに反映されている。第二ステージのスタートに立って、"選別と統合"をより深め、ナチビジネスを展開していく。
役員人事については、
野見山取締役を7月6日付けで常務に昇格する。メーカーとして、ものづくりの基本である品質、調達面に常務クラスをあて、強化する。
品質がブランドをつくり、そして、ブランドは経営の質そのものという認識。調達面では、従来のコストダウン的な観点だけでなく、購入品・外注品に対しても品質をしっかり保証できる体制にする。外注にも切り込む。サプライヤーとは、協同研究、協同開発という切り口でアライアンスを組む。調達も新しい段階に入ってきた。
質疑応答
- 国内向けの業績が好調な要因は
- 製造拠点の新設や設備投資は、中国、東南アジアへのシフトが依然、主流ではあるが、一方で、日本国内への回帰が目立っている。国内企業の設備投資マインドが回復してきた。
国内発注で、据付はアメリカや中国など海外であり、外需に影響される面もある。
事業環境は、原材料の高騰、為替や金利などの問題はあるが、全体的に良くなってきた。当社は、90年代後半から実施してきた合理化効果と、経済環境の好転を背景に、ようやく成長軌道に乗った。 - 連結経常利益100億円に向けての戦略は
- 海外事業の強化と、新商品の投入。当社は、名目的な売上高は追求しない。生産体制を整備し、工場を近代化することで、コストダウンメリットをとり込んでいく。
円高による為替の影響と、原材料のインフレ要因が無ければ、今期の連結経常利益は80億円を上回る。中期目標の100億円が見えてきた。
今期は、円高と原材料などの影響で10億円が減益となるが、価格是正(値戻し)により5億円程度を吸収できる見込み。
売上高は1,500億円台を上回る見込みで、受注も堅調に推移している。上期にベアリングと油圧の新工場を竣工したほか、海外に積極的に投資している。下期から来期にかけて、設備投資による増産効果が期待できる。 - 中国向けのビジネスは
- よく見えないところがあり、調整局面が必ず来る。2008年のオリンピックまで好調が持続するという保証はない。中国経済を先進国の常識で見ていては間違える。
中国向け売上高は40億円程度だが、今後、拡大が見込める。step by stepでやっていく。 - 設備投資について
- 2004年度の設備投資計画はグループ全体で110億円。2005年にかけて2年間で200億円程度を計画している。
とくに、競争力の源泉である国内の生産体制を近代化する。精密なものは、クリーンな環境でつくり込まれる。空調、振動、騒音、ミストなどの作業環境を改善する。物流搬送では、工場から直送し、倉庫をなくす。作業工数とスペースのムダを省く。
受注増加に対する人手不足は、ロボットで補う。油圧バルブ工場のように、あらゆる製造工程にロボットを組み入れる。現状150台から300台程度にまで引き上る。 - 東京本社移転について
- 東京本社を港区浜松町の世界貿易センタービルから、同区東新橋の汐留住友ビルに移転する。これにより、東京、大阪、名古屋の各中枢拠点が新しくなる。
世界貿易センターの15階と25階に分かれている本社部門と国際営業部、東日本支社、グループ4社の拠点を移す。ワンフロアに機能を集約し、業務の効率化をすすめる。グループ会社を含めた国内外の営業の連携、情報セキュリティーを強化する。
24時間、365日利用が可能な新オフィス。海外拠点・ユーザーとテレビ会議を積極的に活用し、海外事業への対応を強化する。無形の効果が期待できる。