IR情報

株主の皆様へ

令和6年能登半島地震で亡くなられた方々とご遺族の皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

2023年11月期(2022年12月1日から2023年11月30日まで)の事業の概況についてご報告いたします。

経営環境

当期における当社グループをとり巻く環境は、自動車生産の回復などを受けて経済活動の正常化が進み、総じて緩やかな回復が継続しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まりに加え、不動産市場の低迷を受けた中国経済の減速や、中東情勢の緊迫化、欧米での金融引き締めに伴う影響など、先行き不透明な状況が継続しております。

事業の経過ならびに成果

このような状況のもと、当社グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、工具、工作機械、ロボット、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んでおります。また、利益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事業全般の構造改革を推進しております。

以上の結果、当期の売上高は、建設機械分野の一部で生産調整の影響などがありましたが、自動車の生産回復、産業機械・市販分野の堅調な需要と、設備需要の回復を受け、工作機械・ベアリングなどの回復・拡大により、2,654億円(前期比2.9%増)、このうち、国内売上高は1,253億円(同3.1%増)、海外売上高は1,400億円(同2.7%増)となりました。

利益面につきましては、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁や、生産ラインの自動化・合理化、調達コストダウンにとり組み、為替は円安で推移しましたが、前期から継続する原材料・エネルギー価格高騰の影響や、固定費が増加した結果、営業利益は118億円(同30.3%減)、経常利益は110億円(同35.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は64億円(同47.1%減)となりました。

配当金

期末配当金につきましては、収益の状況、今後の事業展開を勘案し、1株につき110円とさせていただきました。

今後のとり組み

今後の事業環境につきましては、当社グループの主要な事業領域である自動車分野では、生産の回復が進んでおりますが、産業機械・建設機械・市販分野では、中国・欧州経済の低迷による需要回復の遅れや原材料・エネルギー価格の高止まりなど、総じて先行きが見通しにくい状況にあります。さらに、カーボンニュートラルに向けて、自動車分野においては、本格的なEV化に向けたとり組みや事業再編が加速し、産業機械分野を含め、ものづくりのDX・AIによる商品開発や生産性向上、SDGsをはじめとした社会・環境問題への対応の要求などが高まっております。

当社グループといたしましては、このような産業構造の大変革に対し、ロボットをはじめ多彩な事業・技術・生産ノウハウを有する独自性を活かし、EV・産業機械分野を中心とする事業構造への転換に向けて、新しいビジネスチャンスを創出してまいります。そして、とくに海外市場に向けて、営業・サービス、製造・調達、研究開発の各面で体質を強化して、市場の動き・ニーズを捉え、全部門の技術を連携・結集した競争力のある商品・サービスを拡販し、また、自動化・合理化により生産性を向上させていくことで、業績の一層の向上に努めてまいります。そして、事業活動を通して、環境・社会・ガバナンスなどの課題にとり組み、持続的な企業成長を目指してまいります。

株主の皆様をはじめ関係者の皆様には、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2024年2月

代表取締役 社長執行役員
黒澤 勉

取締役 会長執行役員
本間 博夫