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決算短信

2006年11月期決算発表にさいして (富山商工会議所で)

役員人事について
現在、監査役に技術系はいないので、今回、意図的に監査役に技術系をあて、とくに品質に係わる監査体制を強化する。
  代表権を複数制にして3人が持つのは、大きな意味でのリスクマネジメント。営業、製造、財務、管理の各部門に、代表権をもつ専務を充てた時代 (1990年代まで)もあった。専務イコール機能部門、3事業部門の代表ということになり、セクショナリズムに陥りやすい。
  1998年以降、求心力をもって強力に改革をすすめるうえで、代表権を社長に絞った。今、ステージが変わった。NACHI-BUSINESS Galaxyに年間12,000人のお客がお越しになり、アライアンス先も増えている。会社の置かれている状況、時代環境が変わってきている。コンプライアンスや品質問題などもある。それから、輸出に間接輸出をカウントした国際化比率は、今は60%に迫る。
  一連の改革で、ナチ不二越を全社的に見る、"ナチビジネス"の考え方が定着してきたと思っている。
  対外的にも会社のポジショニングが変わり、県の行政改革推進会議や経営者協会など、地元の活動にもとり組まなければならない。それからロボット工業会、ベアリング工業会、工具工業会の会長職の仕事もある。
  このような経過をふまえて、代表権を複数制にしたもの。

  部長級に海外経験者が多くなっており、事業部長などの職務を全うするうえで、海外とのやりとりは避けられない。その結果として、役員に海外色が強まっている。
役員退職慰労金の廃止について
これも、時代の流れ。2月21日の株主総会で議案として承認をいただく。これまでの積立をバランスシートにのせ、退任のさい、一括支払う。退職慰労金という名目は、今後はない。報酬は業績によって考えていく。運営はこれから。
売上高の伸び率が鈍化している。今後の見通しは
全体に増えているが、設備関係大手カスタマーでの一時的な調整が足をひっ張っている。2008年にかけては、もう一段売上があがると思っている。住宅事業撤退を加味しても、伸び率は2%程度にとどまっているが、2008年以降、3〜5%という巡航速度に戻る。例えば、油圧走行モーターの新工場、ブローチ工場の増設が、来春にかけて戦力となる。
  産業機械の事業ウェイトは26%まで上がってきており、30%を一つの目安としている。中でも建設機械、工作機械に力を入れる。自動車関連もお客自体が国際化しているので、着実に絶対量の伸びを見込める。
  中国とインドの事業体制を強化していく。世界的に見ると、中国とインド、それからヨーロッパ、アメリカ南部の需要がまた増えてきている。ベトナム、インド・ニューデリーでは、非常にいいポジションになっている。この点を考えると、国際化率は60%に近づいて行く。
設備投資計画について
ここ3年間で、500億円前後を考えている。年180億円〜200億円になる。
  その代表として、建設機械メーカーの強気姿勢は、2010年くらいまで続く。北京オリンピックの後を懸念する声もあるが、中国内部の開発もある。
  ロボットもそう。BRICsに加えて、例えば、意外にもVISTAの影響もうけている。いざなぎ景気超え云々は、国内規模の高度成長の話。国際化時代に当てはめても何にもならない。
有利子負債は、年々増加しており、2007年度は660億円
自己資本も年々増加し、600億円に近づいており、有利子負債が増えても両立できる。自己資本が700億円を超えれば、仮定として700億円くらいまで借金で賄ってもいい。所謂、キャッシュフロー経営には拘らない。今、投資しなければ機会損失を生む。
  有利子負債を株主資本で割った負債資本倍率/D/Eレシオは、当面1.0倍程度を維持する。一株利益は約30円であり、株価600円で、株価収益率/PERは20倍。今後の目標として、一株利益は40円をめざす。
  営業利益率が10%の射程に入ってきた。そうなると8円配当とはいかない。だから借入れによる資金手当を中心に考え、資本金はこれ以上増やしにくい。

  営業面では極めて強気でいるが、経営の舵取りは慎重にならざるを得ない。今年もキャリア採用を含めて250人くらい採用している。国際化をふまえて、研修が一段と大事になる。