切削加工プロセスにおいて大きな割合を占める穴加工では、加工する穴は大きさ、深さ、形状など多くの種類が存在します。なかでも「めねじ」と呼ばれる穴内面にねじ山があるものが大半を占め、様ざまな分野で使用されています。そのめねじを加工する代表的な工具としてタップが使用されており、下穴用ドリルと合わせて生産性向上のための長寿命化、品質向上、安定加工が求められています。
SGタップシリーズは、不二越独自の高靭性な高級粉末ハイスの採用によりチッピングを防止できるほか、TiCN系微細多層膜SGコーティングの採用で耐摩耗性を向上させており、最高峰の長寿命を実現しています。被削材は、一般鋼からステンレス鋼、アルミニウム合金まで広範に対応できます。
タップのねじ加工におけるトラブルには、タップの欠け・折損、切りくずの絡みつきなどがあり、これらは切りくずの噛み込み、巻きつき、詰まりがおもな要因として発生します。SGタップは、切れ刃と溝形状の最適化により、剛性と切りくず排出性を両立し、切削速度の変化による加工状態、切りくず形状の変動を抑制し、安定加工を実現しました。SGタップシリーズと既存のドリルシリーズを組み合せることで、下穴からめねじまでの穴加工を、スルーで高能率に安定した加工ができます。
不二越は、今後も穴加工を究め、生産性の向上を実現する優れた工具を抵抗し、ものづくりの発展に貢献していきます。
長寿命で安定ねじ加工
- 不二越独自の高級粉末ハイスとSGコーティングの採用で長寿命を実現。
- 剛性・切りくず排出性向上により安定加工が可能
切りくずの噛み込み、巻きつき防止
- 切りくずトラブルの多いスパイラルタップで、太いネック形状を採用しタップと下穴の隙間を最小とすることで切りくずの噛み込みによる突発的な折損を防止
ラインナップ
- スパイラルタップ(主に止まり穴に使用)
寸法範囲:M2〜M24 - ポイントタップ(通り穴に使用)
寸法範囲:M1.4〜M24
ステンレス鋼でも長寿命
切削条件
呼び | M6X1 | 下穴深さ | 19mm (通り穴) |
---|---|---|---|
被削材 | SUS304 | 送り | 同期送り |
ねじ深さ | 12mm | ホルダー | コレットチャック |
切削速度 | 8m/min | 切削油剤 | 水溶性 (外部給油) |
下穴径 | Ø5.1ドリル加工 | 使用機械 | 立形M/C BT30 |
太いネック形状
広範な被削材に対応