ハイブリッドで強力洗浄
- 浸漬洗浄と蒸気洗浄の2種類の洗浄機能を標準装備。高品質な洗浄を実現
① 浸漬洗浄では、1次シャワー、浸漬、2次シャワーのトリプル洗浄で洗浄性を確保。専用循環ポンプを追加し、循環加温を用いた洗浄を可能にし、洗浄力を強化
② 蒸気洗浄
微細孔、複雑形状の精密部品でも強力に洗浄。シャワー洗浄を組み合わせることで、深穴形状など洗浄液が届きにくいワーク洗浄に効果を発揮
環境負荷を低減
- 炭化水素系の洗浄剤を使用しており、洗浄剤の保有量を従来機比で約20%削減。高い洗浄性と環境負荷低減を両立
コンパクト設計
- 設置面積約14m2で、わずかな隙間に設置可能なコンパクト設計
現在、工業製品の脱脂洗浄では、部品の精密化に伴う難洗浄化、洗浄液の環境配慮が課題となっている。幅広く利用されている水系・準水系アルカリ性洗浄剤は、比較的安全性が高く、低コストではあるが、脱脂洗浄力が低く、廃液処理が必要。また、溶剤系(塩素系やフッ素系、臭素系)洗浄剤は、洗浄力が高くて乾燥性は良いが、同様に環境負荷が高い。したがって、今後は、廃液処理が不要で再利用が可能な炭化水素を使用した高品質な洗浄を実現する炭化水素系洗浄装置のニーズの高まりが見込まれる。
今般発売したハイブリッド真空脱脂洗浄装置HiNVD‐10は、1室での浸漬洗浄と蒸気洗浄の2種類の洗浄を業界で初めて実現。浸漬洗浄では、1次シャワー、浸漬、2次シャワーのトリプル洗浄と、浸漬中に循環ポンプで洗浄剤を循環させ、効率的にワークを加温することで強力な洗浄力が得られます。蒸気洗浄では、洗浄剤が届きにくい微細穴や複雑形状の精密部品の洗浄にも、シャワー洗浄をくみ合わせることで、抜群の効果を発揮する。
今後は、従来の金属部品の熱処理工程前後のほか、環境規制強化が進む海外や、船舶等の大型重量部品の脱脂洗浄など新しい分野での採用を狙い、環境に配慮した熱処理洗浄工程を増やすことで地球にやさしいものづくりの実現をすすめる。
洗浄事例
蒸気洗浄+シャワー | バルブボディ(真空焼鈍前の洗浄) | |
---|---|---|
洗浄所要時間 約27分 |
処理品形態
洗浄のポイント
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|
初期排気 | 221 | |
蒸気洗浄 | 398 | |
シャワー | 68 | |
循環+排気 | 258 | |
真空乾燥 | 639 | |
復圧 | 38 | |
合計 | 1,622 |
トリプル洗浄+循環加温 | 歯車(浸炭焼入れ後の洗浄) | |
---|---|---|
洗浄所要時間 約24分 |
処理品形態
洗浄のポイント
|
|
初期排気 | 228 | |
1次シャワー | 15 | |
排液 | 35 | |
給液 | 46 | |
浸漬 | 200 | |
排液 | 93 | |
2次シャワー | 74 | |
排液 | 90 | |
真空乾燥 | 653 | |
復圧 | 38 | |
合計 | 1,462 |
従来機NVD‐10と「HiNVD‐10」の比較
項目 | 従来機 NVD‐10 | HiNVD‐10 | 比較 |
---|---|---|---|
据え付け寸法 | 幅2.2m × 長さ4.35m (熱媒体油ユニット別置き) |
幅2.2m × 長さ4.0m (真空排気ユニット別置き) |
8%縮小 |
有効寸法 | 幅760mm × 長さ1,220mm × 高さ760mm | − | |
処理量 | 1,000kg/グロスチャージ | ||
浸漬洗浄時間(分) | 30 | 25 | 17%短縮 |
蒸気洗浄時間(分) | 機能なし | 25 (400kg/グロスチャージ) | 新機能 |
洗浄液保有量(L) | 1,900 | 1,500 | 21%削減 |
洗浄液消費量(ml) | 200 | − | |
窒素ガス消費量(m3N/回) | 5 | 2.2 | 56%削減 |
立上時間(時間) | 4 | 2 | 50%削減 |
消費電力(kWh) | 30 | 24 | 20%削減 |